口腔ケアをはじめる前に

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STEP2 観察と状態把握

全身の状態把握

口を開けていつ女性とあごを動かしている男性
口腔ケアをはじめる前には、まずケアを受ける方の全身の状態を確認することが大切です。体調がすぐれないと、しっかり歯みがきしようという気持ちになれないこともあります。また、その日の気分や体調、たとえば気分がよい日、落ち込んでいる日、疲れている日など、日々の精神状態によっても口腔ケアに対する意欲は変わってきます。

生活習慣の観察

趣味を楽しむ男女
ケアを行う際には、ケアを受ける方の日常生活にも目を向けてみましょう。ご高齢の方が毎日どのように過ごしているか、どんな習慣や楽しみがあるのかなど、人それぞれに異なるライフスタイルを持っています。
そのため口腔ケアを行うときも、こうした生活習慣やご本人の気持ちを大切にして進めることが大切です。

食事時の観察

食卓でむせる高齢女性
食事中に、舌やほほの内側を誤ってかんでしまったり、むせてしまったりすることはありませんか。
「食べる」という行為を観察することで、お口の機能がきちんと働いているかどうか判断できます。

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全身の状態把握

口腔ケアはお口だけのケアと思われがちですが、全身の状態にも注意を払うことが大切です。日々変化する体調や気分は、お口の状態にも影響を与えます。

お口のケアと全身のつながりについて

お口を開ける女性とあごを動かす男性
口腔ケアをはじめる前に、まずはケアを受ける方の全身の状態を確認することが大切です。体調がすぐれないと、歯みがきをしっかりしようという気持ちになれないこともあります。
また、気分がよい日、落ち込んでいる日、疲れている日など、日々の精神状態によって口腔ケアへの意欲は変わります。日々変化する体の状態をきちんと把握することで、その日に最適な口腔ケアを行うことができます。

こんなところも要チェック!

ケアを受ける方の持病や、認知症の有無、これまでの病歴についても確認しておきましょう。とくに感染症がある場合は、十分な対策が必要です。

無理をしない口腔ケアを目指すために

口腔ケアは、毎日少しずつ続けることが大切です。その積み重ねが、きれいなお口につながります。
無理に口腔ケアをすると、痛みや発熱を引き起こし、日常生活の妨げになることもあります。本来の目的は、日々の暮らしを豊かにすることです。歯科医院での治療とは異なり、介護施設や訪問歯科診療では、完璧さよりも日常生活を重視します。1回で完璧にしようとせず、無理のない範囲で続けられるケアを目指しましょう。
もし口腔ケアを嫌がる様子が見られた場合は、無理せず、できる範囲で行うようにしましょう。
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POINT

無理のない範囲で続けられるケアを目指します。

その日できる口腔ケアがどのレベルまでがいいのかを知るために、お口だけじゃなく心身の変化に気づいてあげられると、とてもいいの。
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生活習慣の観察

人によって生活スタイルや習慣はさまざまなので、気をつけるポイントも違ってきます。

それぞれが持っている生活習慣

趣味を楽しむ男女
ケアを行う際には、ケアを受ける方の日常生活にも目を向けてみましょう。
ご高齢の方が毎日どのように過ごしているか、どんな習慣や楽しみがあるのかなど、それぞれに異なるライフスタイルを持っています。そのため、口腔ケアを行うときも、こうした生活習慣やご本人の気持ちを大切にしながら進めることが大切です。

こんな方はいらっしゃいますか?

たとえば、次のような点に心当たりはありませんか。

  • たばこを吸っている歯周病になりやすく、悪化しやすい傾向があります。
  • 夜、寝る前に歯をみがかない:一番細菌の増えやすい時間帯に、歯みがきをしていない状態です。
  • 1年以上歯科を受診していない:お口の中に問題がある、または問題が起きるリスクが高い状態です。


このように生活習慣によって、お口の抱える問題も異なります。
生活習慣を把握しておくことは、適切な口腔ケアを行うために重要です。

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POINT

生活習慣を把握することが適切な口腔ケアにつながります。

習慣を変えるのって難しいの。だから、その方に合った口腔ケアを目指していく必要があるのよ。
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食事時の観察

食事の様子を観察することは、お口の機能の状態を把握するうえで大切なポイントです。

お食事の観察が必要な理由とは

食卓でむせる高齢女性
食事中に、舌やほほの内側を誤ってかんでしまったり、むせてしまったりすることはありませんか。
「食べる」という行為を観察することで、お口の機能がきちんと働いているかどうか判断できます。

こんな方は要注意

次のような状態が見られる場合、問題がある恐れがあります。

このように、症状には必ず原因があります。同じ「むせる」という症状でも、原因はさまざまです。また、お口の中だけでなく、食事中の姿勢を整えることで飲み込みやすくなり、誤嚥の予防にもつながります。もしこのような症状が見られた場合は、歯科医師や歯科衛生士に相談し、適切な対策を一緒に考えましょう。

とろみ・きざみ食の落とし穴

キザミ食
介護施設などでは、食事がスムーズに食べられなくなると、とろみをつけたり、きざみ食やミキサー食に変更することがよくあります。確かに、食形態を変える工夫が必要な場合もあります。しかし、食事は舌だけでなく、目でも楽しむものです。できるだけ本来のかたちで食事を楽しんでいただきたいと思うのは自然なことです。食べにくくなったからといってすぐに、きざみ食などに切り替えるのではなく「なぜ食べにくいのか」「原因は何か」を一度考えてみましょう。歯科医師や歯科衛生士と協力し、食形態を変える前にできる工夫を探してみてください。
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POINT

ご高齢の方では、むせる・痰が絡むといった症状が多く見受けられます。

そういう方は、飲み込むときの問題があるかもしれないの。 入れ歯のメンテナンスやお口の体操で改善されることもあるのよ。
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