入れ歯のケア

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STEP3  入れ歯をみがく

入れ歯専用ブラシ

入れ歯専用ブラシ
入れ歯のお手入れには、一般的に入れ歯専用ブラシを使います。

汚れやすいポイント

入れ歯の汚れるポイント
入れ歯をよく観察して、みがき残しのないよう丁寧にお手入れをしましょう。

みがき方

入れ歯をみがく
入れ歯洗浄剤だけでは目に見えない細菌を浮かせるだけで落とし切れてはいません。

入れ歯洗浄剤

入れ歯洗浄剤
入れ歯洗浄剤には洗浄・殺菌・消臭効果がありますが、お手入れの補助と考えましょう。

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入れ歯専用ブラシ

歯をみがくための歯ブラシがあるように、入れ歯をみがく専用の「入れ歯専用ブラシ」もあります。

入れ歯をみがくための器具

入れ歯専用ブラシ
入れ歯のお手入れには、一般的に入れ歯専用ブラシを使います。
歯ブラシでもみがくことは可能なのですが、かたちが複雑な入れ歯のヌルヌルした汚れをしっかりと落とすためには、入れ歯専用のブラシをおすすめします。
専用ブラシを使用すると楽にお手入れができますが、どうしても用意できない場合は、少し硬めの歯ブラシでも代用できます。

入れ歯専用ブラシについて

入れ歯専用ブラシは、入れ歯をみがくためにつくられた専用のブラシです。
私たちが使用する「歯ブラシ」と同じナイロンの毛でできていますが、歯ブラシよりも硬く、入れ歯のがんこな汚れをみがき落とすことができます。
柄が太く持ちやすいため、力を入れてゴシゴシとみがきやすい工夫がされています。
入れ歯ブラシは、2か所に植毛部分がある場合が多くあります。これはみがくポイントによって、みがきやすい毛の硬さやかたちが異なるためです。
大きい植毛部分は、ふつうの硬さの毛が使われており、入れ歯の義歯床や人工歯全体をみがくのに適しています。
小さい植毛部分には硬い毛が使われているため、クラスプ部分や端の複雑なかたちをした部分など、入れ歯の細かい溝をみがくのに適しています。
また、入れ歯をみがく際には、歯みがき粉の使用を控えてください。歯みがき粉に含まれている研磨剤によって、入れ歯に細かい傷がつくことがあります。入れ歯専用の歯みがき粉も市販されていますので、歯みがき粉を使う場合は入れ歯専用のものを選ぶようにしましょう。
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POINT

入れ歯専用ブラシは持ちやすく、みがきやすい工夫がされています。

入れ歯専用ブラシは、歯ブラシよりもブラシ部分の面積が広くて、柄が太くて持ちやすいから、力を入れてゴシゴシみがくことができるの。入れ歯がきれいになっていく様子がよくわかるから、楽しくお手入れできるのよ。
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汚れやすいポイント

入れ歯は、端の方やクラスプがとくに汚れやすくなっています。

入れ歯の汚れやすいポイント

入れ歯についた食べかすを流水で取り除いただけでは、入れ歯に歯垢が残りやすく、お手入れが十分でないことがあります。入れ歯をみがく際は、入れ歯をよく観察して、みがき残しのないよう丁寧にお手入れをしましょう。入れ歯のお手入れの理想は、毎食後にお口からはずして行うことです。お口を清潔な状態に保つためにも、食後はできるだけ入れ歯をはずして洗いましょう。

総入れ歯の場合

入れ歯の内側のくぼみや、お口に当たる部分、そして人工の歯と歯の間には、とくに汚れがたまりやすくなっています。

部分入れ歯の場合

部分入れ歯は、クラスプの部分がとくに汚れますので、丁寧に入れ歯専用ブラシを使ってみがきましょう。

忘れやすいポイント

忘れやすいポイント
入れ歯のみがき残しやすい場所としては、端の方が挙げられます。端は見落としやすいので、すみずみまでしっかりブラシを当ててみがいてあげましょう。みがき終わったあとに指でさわってみてヌルヌルしていなければ、きれいにみがけている目安になります。
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POINT

入れ歯も食事のたびにきれいにしましょう。

入れ歯のかたちは人それぞれ違って複雑だから、どうしても汚れのつきやすいポイントが出てきてしまうの。お食事のあとには、お口の中に食べかすが残りやすいので、ぜひお手入れをしてあげてほしいの。
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みがき方

入れ歯はヌルヌルした汚れが取れるまで、しっかりみがき洗うことが大切です。

入れ歯のみがき方

入れ歯は必ず流水下で行い、歯みがき粉をつけずにみがきます。

入れ歯洗浄剤を使うだけでは、目に見えない細菌が浮き上がっているだけで、汚れを落としきれてはいません。また、洗浄剤が入れ歯に残ったままお口に入れると、歯ぐきが炎症を起こす心配もあります。汚れをきちんと落とし、歯ぐきを守るためにも、入れ歯専用ブラシでしっかりとみがきましょう。

お手入れの注意点

歯みがき粉は使わない

一般的に販売している歯みがき粉には研磨剤が含まれています。研磨剤は入れ歯に細かい傷をつけてしまいますので、使用は控えるようにしてください。入れ歯についた細かい傷は、細菌を繁殖しやすくさせてしまいます。お口の中に細菌が増えると、口臭や義歯性口内炎の原因につながることもあり、入れ歯に接するご自分の歯やお口の中にもよくない影響が考えられます。
残っている歯やお口の中の環境を守っていくためにも、使用する場合は入れ歯専用の歯みがき粉を使用するようにしましょう。

入れ歯を洗うときは、洗面器を下に置く

入れ歯は衝撃に弱く、落としてしまうとひびが入ったり、欠けたり割れたりする恐れがあります。
流水下で入れ歯を洗う際には水を張った洗面器を下に置くなど、万が一落としてしまった場合でも割れにくい環境を整えることが大切です。

みがくときのポイント

入れ歯をみがくときは入れ歯をしっかりと持って、入れ歯専用ブラシを入れ歯の中央から端に向けて動かすようにします。クラスプの部分は、強く握ってしまうと変形する恐れがありますので、義歯床を持つようにしましょう。
入れ歯も私たちの歯と同じように、人工歯と人工歯の間にも歯垢が付着します。
人工歯と人工歯の間に、入れ歯専用ブラシをあてて義歯床から歯の先に向けて、まっすぐにブラシを動かすと汚れが落としやすいです。みがき終わったら、入れ歯全体の汚れが落ちたかどうかを目で見て確認し、グローブごしにヌルヌルが取れているかどうかを指でさわって確認しましょう。
入れ歯のお手入れの際に介助の必要がなく、ご自分でお手入れができる方でも、ヌルヌルした汚れは見えにくい場合がありますので、念のため確認させていただくようにするといいでしょう。

ヌルヌルの正体

ヌルヌルの正体は「デンチャープラーク」と呼ばれる入れ歯に付着する、生きている細菌の歯垢です。
粘着性があるため、水で流した程度では落ちませんので、必ず入れ歯専用ブラシを使って落とす必要があります。
わかりやすく例えると、流し台の三角コーナーの汚れを水洗いだけで放置した場合に表面につくヌメリと似ています。流し台のヌメリは強い塩素系の漂白剤を使っても完全にきれいにはならず、タワシを使ってこすった経験のある方は少なくないはずです。
この状態がお口の中の入れ歯にも起きていると想像すると、入れ歯のお手入れの大切さがよくわかります。
デンチャープラークは、からだに悪影響をおよぼす悪い細菌のかたまりです。
お口の中を清潔に保つためには、よくみがき、ヌルヌルの正体であるデンチャープラークを取り除きましょう。

できるだけ、自立支援を

入れ歯のお手入れは、できる方にはなるべくご自分でやっていただき、介助の際には足りない部分を補うようにしましょう。

片手が不自由な場合

片手でできる入れ歯のケア
手やつめを洗うための平らなブラシの裏に吸盤をつけ、それを流しに固定すると、片手でも入れ歯をみがくことができます。
まひがあり、片手が思うように動かない方でも、ご自分で入れ歯のお手入れが可能です。
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POINT

入れ歯のお手入れは、できる範囲はご自身でおこなっていただきましょう。

使う器具や方法を工夫すれば、ひとりでもできることはたくさんあるのよ。介助を必要としない方法を見つけてあげることが大切なの。
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入れ歯洗浄剤

入れ歯浄剤は、入れ歯についた目に見えない汚れや入れ歯の内側に、入り込んだ細菌を取り除く補助として使います。

汚れを浮かす入れ歯洗浄剤

入れ歯洗浄剤
入れ歯洗浄剤には、洗浄・殺菌・消臭の効果がありますが、あくまでも入れ歯のお手入れの補助として考えてください。入れ歯の汚れを落とすためのものというよりも、細菌の繁殖を防ぐために使用するといいでしょう。
中には、入れ歯洗浄剤に浸すだけで入れ歯がきれいになると思い、入れ歯専用ブラシを使わずに水で流すだけの方もいらっしゃいます。しかし、水だけで十分に汚れは落ちません。

また、入れ歯洗浄剤を使用した後、その成分が残ったまま入れ歯をお口に入れるのはおすすめできません。入れ歯洗浄剤を使った後は、必ず流水で入れ歯専用ブラシを使って汚れを落とし、きれいにしてから入れ歯を装着するようにしましょう。

どのくらいの頻度で使う?

入れ歯のにおいが気になる、着色汚れが気になるなどの場合には、できるだけ毎日、少なくても1週間に1~2回ほど使用すると効果的です。

どんなものを選べばいい?

入れ歯洗浄剤にはいくつかの種類がありますが、洗浄剤が水に溶けると発生する泡(=活性酸素)により、殺菌と漂白を行うものが多く市販されています。入れ歯の種類により、望ましい洗浄成分がありますので、歯科医師・歯科衛生士に相談してみましょう。
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POINT

入れ歯洗浄剤を適切に使って、入れ歯のケアを行いましょう。

お口を動かす機会が減ると汚れや細菌が長時間お口の中にとどまって、入れ歯もそれだけ汚れてしまうの。
毎日のお手入れを続けていくことって、とても大切なのよ。
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