乾燥とこびりつき

粘膜の乾燥は出血を引き起こすこともあるの。

お口の乾燥とだ液の減少

お口の乾燥とだ液の減少

高齢者の多くは、口腔内が乾燥しています。 乾燥の原因は様々ですが、口腔内の乾燥は、だ液が十分分泌されていないことも考えられます。 だ液が出にくくなってしまうと粘膜が傷つき出血しやすくなり、炎症を起こすこともあります。
口腔内の乾燥は、口の動きや感覚低下を引き起こすことがあり、会話や味覚にも影響を及ぼしてしまいます。スポンジブラシや指などが触れたりするだけで、痛みを感じるようになってしまうこともあります。
そのため、口腔ケアでは保湿を十分にし、潤っていて、よく動く、健康なお口に近づくことを目指します。
乾燥とだ液の大切さについての詳しい説明は「乾燥」ページで確認しましょう。


とっても痛いお口の乾燥

お口の乾燥は、重症化すると痛みを伴います。
歯ブラシや指などの刺激はもちろん、口を動かすことでさえ、痛みを伴うことがあります。
口腔内の乾燥がすすむと、痛みを感じるだけではありません。
自浄作用が十分機能していない場合、本来洗い流されるはずの口腔内の食べかすや、剥がれ落ちた粘膜、痰などが口腔内に留まります。
乾燥している口腔内では食べかす、剥がれ落ちた粘膜、痰などが、舌や上あごなどのお口の乾燥している粘膜にしっかりとこびりつき、カピカピに乾燥してしまう状態になることがあります。

こびりついた汚れはどうやってはがすの?

こびりついた汚れをいきなりはがそうとすると、粘膜から出血してしまったり、 痛みを与えることになってしまい、口腔ケアの拒否や血液による感染の危険につながりかねません。
乾燥している口腔内の汚れをとる、または口腔ケアを行う場合、必ず保湿が必要です。
ブクブうがいによる保湿や、保湿剤による口腔内のマッサージができる方には、ぜひ行っていただきましょう。
手順については「保湿」と「開口誘導・開口保持」ページをご参照ください。
特に保湿剤を使って行う口腔内のマッサージは、だ液の分泌を促すことから、リラクゼーション効果もありますので 乾燥による痛みが強くない場合は、無理のない範囲で取り組みましょう。

用意する器具

保湿剤・スポンジブラシ・くるリーナ

次の器具を用意しましょう。

  • 保湿剤
  • スポンジブラシ
  • 口腔ケアウエッティー

乾燥してこびりついた食べかす、剥がれ落ちた粘膜、痰をスムーズに取り除くためには、保湿剤を多めに塗布し、ふやかした上で、スポンジブラシや口腔ケアウエッティーを使うと効果的です。
無理なく汚れを取り除くことができるため、乾燥して敏感になっている粘膜でも比較的刺激が少なくケアできます。


こびりついた汚れのはがし方

長期間、粘膜にこびりついてしまっていた汚れは、すぐに取り除けるものではありません。
一回のケアで全てきれいに取り除くことができなくても、保湿と粘膜のケアを繰り返していくことで、徐々に取り除きやすくなりますが、難しい場合には必ず歯科医師・歯科衛生士に相談しましょう。
取り除くことができない分は、次回のケアにまわし、少しずつ健康なお口を目指しましょう。

保湿剤・スポンジブラシ

お口の中がカピカピに乾燥するなんて、僕なんだか想像できないや。

乾燥には何よりも保湿が大切なの。そして、あせらないことなの。
保湿を続けていくことで、粘膜が少しずつ健康になっていくのよ。